(ネタバレあります)
**『ガリバー旅行記』終わって、この日の
メイン『サッカー・パンチ』を同じ新宿ピカ
デリーで見る。設定時間が遅めだったので、
時間が空いた。
暇つぶしにジムのプールで軽く泳ごうかと思
った。その前にお腹が空いたのでウロウロし
たら、すき家の牛丼が250円だっていうから、
ついつい食べてしまった。そのあと、プール
で泳ぐ…というよりワールプールでぐったり。
時間になったので、スタバのコーヒー買って、
劇場に入った。うーん、空いてる。ちょっと、
いちばん大きなスクリーン1は荷が重かった
んじゃないかー。まあ、いろんなブッキング
の問題があったんだろうけど。『唐山大地震』
が飛んだのは大きいなあ。まあ、こちらとし
ては、『サッカー・パンチ』が大きなスクリー
ンで、しかもゆったり見られて大満足です。
1回目だとわからないんだけど、オープニン
グがかなり重要だ。何かのステージが始まる
ように幕が開くと、部屋のベッドにベイビー
ドールが背中を向けて座っている。そこにナ
レーションが重なる。ベイビードールのナレ
ーション…だと思ってしまうが、あれは違う
かもしれない。いや、あれはスイトピーの声
だ。
ベイビードールは、エミリー・ブラウニング
が「三重につけた」と言うところのつけまつ
げと、白い顔に桃色のチークをつけ、さなが
らビスクドールのようだ。2回目に見たとき
には、ベイビードールは、その名の通りスイ
トピーの「お人形」なのだと思った。そう思
ってみてみると、5人そろっているなかでも、
ベイビードールだけが「人間ではない」よう
に見えてくる。
ときどき変な夢を見ることがある。この状況
は、前にも夢で見たことがあるという夢。現
実とは明らかに違うのに、前に見た夢と同じ
職業だったり同じ人間関係だったり。自分が
主人公の連続ドラマを見せられているような
感覚だ。人間の記憶のアヤだと思うが、そう
いう夢を見るとパラレルワールドってあるの
かもしれないと思ってしまう。
『サッカー・パンチ』が描いているのは、
「層」じゃなくてパラレルワールドだと思う。
平行に並んだ世界を行き来するのだ。もちろ
んスイトピーが。
冒頭のベイビードールの悲劇は、スイトピー
が見たパラレルワールドの夢だ。転がるボタ
ンや鍵穴、非現実的に窓から外壁を伝って逃
げる、いつの間にか手にした銃、でも「敵」
は殺せない…すべて、夢でよくあることばか
りじゃあないか。ロボトミー手術の寸前、ス
イトピーが「やめて」というまで、その世界
は続く。
「夢」の描写として、こんなに「リアル」な
映像は初めて見たと思う。『インセプション』
は、理屈は正しいのだかどうか知らないが、ち
っとも「いつか見た夢」じゃなかった。だから
「夢だ夢だ」と言われても笑えてしまったのだ。
あれは「違う世界の夢」だった。「訓練されて
るから夢の世界にガードマンがたくさんいる」
って言われてもさ。
**『サッカー・パンチ』に「階層」を感じ
る人は、『インセプション』と比較するみた
いだが、違うかもしれないなあと思う。どち
らかというと、『インセプション』が間違っ
た『サッカー・パンチ』だと思う。比較する
なら『裸のランチ』かなあ。『サッカー・パ
ンチ』は『裸のランチ』と比べると、イマイ
チだよねっていうなら、すごくわかる。
あちこちにばらまかれたエロティックな記号も
夢の世界っぽい。他の登場人物も、みんな夢な
のかなあ。そうすると「現実探し」をしたくな
るけど、エンドクレジット見ると、そんなこと
どうでもいいって思えてくる。
うーん、まだよくわかっていないんだけど、ベ
イビードールがレノックスハウスにやってきた
ときに、椅子に並んで座っている夫婦…父親の
帽子が強調されるんだけど…その夫婦と、ナチ
ス戦のときとラストのバスに乗る場面とで2回
スイトピーと視線が絡む男の子、このあたりが
「現実的」なのかなあ。意味がわかりにくいん
だけど。
スイトピーは、両親と弟との四人家族だったり
してね。