2011年04月30日

#196 映画館憑依日記 2011.4.15『サッカー・パンチ』

4.15金『サッカー・パンチ』

(ネタバレあります)

**『ガリバー旅行記』終わって、この日の
メイン『サッカー・パンチ』を同じ新宿ピカ
デリーで見る。設定時間が遅めだったので、
時間が空いた。

暇つぶしにジムのプールで軽く泳ごうかと思
った。その前にお腹が空いたのでウロウロし
たら、すき家の牛丼が250円だっていうから、
ついつい食べてしまった。そのあと、プール
で泳ぐ…というよりワールプールでぐったり。

時間になったので、スタバのコーヒー買って、
劇場に入った。うーん、空いてる。ちょっと、
いちばん大きなスクリーン1は荷が重かった
んじゃないかー。まあ、いろんなブッキング
の問題があったんだろうけど。『唐山大地震』
が飛んだのは大きいなあ。まあ、こちらとし
ては、『サッカー・パンチ』が大きなスクリー
ンで、しかもゆったり見られて大満足です。


1回目だとわからないんだけど、オープニン
グがかなり重要だ。何かのステージが始まる
ように幕が開くと、部屋のベッドにベイビー
ドールが背中を向けて座っている。そこにナ
レーションが重なる。ベイビードールのナレ
ーション…だと思ってしまうが、あれは違う
かもしれない。いや、あれはスイトピーの声
だ。

ベイビードールは、エミリー・ブラウニング
が「三重につけた」と言うところのつけまつ
げと、白い顔に桃色のチークをつけ、さなが
らビスクドールのようだ。2回目に見たとき
には、ベイビードールは、その名の通りスイ
トピーの「お人形」なのだと思った。そう思
ってみてみると、5人そろっているなかでも、
ベイビードールだけが「人間ではない」よう
に見えてくる。

ときどき変な夢を見ることがある。この状況
は、前にも夢で見たことがあるという夢。現
実とは明らかに違うのに、前に見た夢と同じ
職業だったり同じ人間関係だったり。自分が
主人公の連続ドラマを見せられているような
感覚だ。人間の記憶のアヤだと思うが、そう
いう夢を見るとパラレルワールドってあるの
かもしれないと思ってしまう。

『サッカー・パンチ』が描いているのは、
「層」じゃなくてパラレルワールドだと思う。
平行に並んだ世界を行き来するのだ。もちろ
んスイトピーが。

冒頭のベイビードールの悲劇は、スイトピー
が見たパラレルワールドの夢だ。転がるボタ
ンや鍵穴、非現実的に窓から外壁を伝って逃
げる、いつの間にか手にした銃、でも「敵」
は殺せない…すべて、夢でよくあることばか
りじゃあないか。ロボトミー手術の寸前、ス
イトピーが「やめて」というまで、その世界
は続く。

「夢」の描写として、こんなに「リアル」な
映像は初めて見たと思う。『インセプション』
は、理屈は正しいのだかどうか知らないが、ち
っとも「いつか見た夢」じゃなかった。だから
「夢だ夢だ」と言われても笑えてしまったのだ。
あれは「違う世界の夢」だった。「訓練されて
るから夢の世界にガードマンがたくさんいる」
って言われてもさ。

 **『サッカー・パンチ』に「階層」を感じ
 る人は、『インセプション』と比較するみた
 いだが、違うかもしれないなあと思う。どち
 らかというと、『インセプション』が間違っ
 た『サッカー・パンチ』だと思う。比較する
 なら『裸のランチ』かなあ。『サッカー・パ
 ンチ』は『裸のランチ』と比べると、イマイ
 チだよねっていうなら、すごくわかる。

あちこちにばらまかれたエロティックな記号も
夢の世界っぽい。他の登場人物も、みんな夢な
のかなあ。そうすると「現実探し」をしたくな
るけど、エンドクレジット見ると、そんなこと
どうでもいいって思えてくる。

うーん、まだよくわかっていないんだけど、ベ
イビードールがレノックスハウスにやってきた
ときに、椅子に並んで座っている夫婦…父親の
帽子が強調されるんだけど…その夫婦と、ナチ
ス戦のときとラストのバスに乗る場面とで2回
スイトピーと視線が絡む男の子、このあたりが
「現実的」なのかなあ。意味がわかりにくいん
だけど。

スイトピーは、両親と弟との四人家族だったり
してね。

posted by TcinemaholicT at 11:53| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月29日

#195 2011-4月の超・本命映画は『サッカー・パンチ〔エンジェル・ウォーズ〕』と『歓待』

**4月(2011.4.1~4.28)に見た映画27本の
なかでイチバン良かったのは、『サッカー・
パンチ(エンジェル・ウォーズ〕』と『歓待』。

『サッカー・パンチ』については、まあ、あ
れだ。誰がなんと言おうと好きなものは好き
だというヤツだ。つか、何が悪いんだよと言
いたい。今までにいくらでもあったようにみ
えて、実は今までに全くなかった映画。とき
どき「中身がない」という批判を目にするが、
「中身」とは何か。まず、その定義から始め
るべきだ。

今月見た邦画がとっても良かったので、どれ
か一つ挙げたいなあと思っていたら、月の終
わりの方で『歓待』を見て、ぶったまげた。
低予算であることを感じさせない映画とは、
こういうものを言うのだと思う。ちょっとし
た工夫とか考え方なんだろうなと思う。クレー
ンにカメラ乗っけて上から下まで撮影する必
要なんか、実はそんなにないのだ。

***2011-4月に見た映画***

【◎本命】
婚前特急
劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ
引き裂かれた女
サッカー・パンチ(エンジェル・ウォーズ〕
素晴らしい一日
歓待

 ◇『素晴らしい一日』は、「原作の良き鑑賞
  者」が作った映画。チョン・ドヨンの「やー」
  っていう言い方が好き。

【○対抗】
SOMEWHERE
津軽百年食堂
BADBOYS
はい! もしもし、大塚薬局です
人の善意を骨の髄まで吸い尽くす女
神々と男たち

 ◇メジャーじゃない邦画が良い。今年は、特
  にメジャーな邦画の良いところを見出そう
  と思ってたんだけど、こんだけ低予算で自
  主製作で作った映画が面白いと、メジャー
  の映画には制作費泥棒がいるに違いないと
  思えてくるね。

【▲単穴】
キラー・インサイド・ミー
まほろ駅前多田便利軒

 ◇『まほろ駅前』の原作が好きだ。これを映
  画化しようという気概は好きだ。出ている
  俳優は嫌いじゃない。全体の作りは良いと
  思う。ただ、ただ、あれさえなければ…。
  この映画の監督は、変な思い込みがあるよ
  うな気がする。『キラー・インサイド・ミー』
  もそれに近いかも。どっちにも「ちょっと
  なー」があるような気がする。

【△連下】
孫文の義士団
ブルー・バレンタイン

 ◇『孫文の義士団』は、見ていてちょっと飽
  きた。カンフーアクションっぽいものにも
  新味がほしい。それをいちばんよくわかっ
  てるのがジャッキー・チェンかなあと思う。
  『スコット・ピルグリム』のアクションの
  方が面白いもんね。『ブルーバレンタイン』
  は好きじゃないなあ。安っぽく感じた。

【×穴】
高校デビュー
GANTZ PerfectAnswer

 ◇『高校デビュー』は、いろんな意味でダイ
  エットが必要な映画だと思った。『GANTZ』
  は、脂肪ばっかりだから、ダイエットする
  と何もなくなちゃうね。でも、とりあえず
  山田孝之あたりから削ってみたら良かった
  のに。

【切り】
ザ・ライト
ほしのふるまち
名探偵コナン 沈黙の15分
処刑教室
ガリバー旅行記

 ◇子供のころ、もっと骨太なミステリー見て
  たよなーと思うと「コナンくん」はぬるい
  なと思う。別に過激にしろというのではな
  くて。

【競走除外】
レッツゴー仮面ライダー
メアリー&マックス
魔法少女を忘れない
Lily(途中退場)

 ◇論外。『メアリー&マックス』は、実写だ
  ったらどうだろうと思うと、気味悪くて不
  愉快になる。クレイアニメだからいいんだ、
  ということもないだろう。『Lily』はね…。
  コンパクトな映画で良いから、面白い映画
  を作ればいいのにと思う。


**以上、今月は27本でした。

posted by TcinemaholicT at 23:53| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月28日

#194 映画館憑依日記 2011.4.15『ガリバー旅行記』

4.15金『ガリバー旅行記』

**仕事を定時で切り上げて、チケットを取
っていた映画を見に行く。まず『ガリバー旅
行記』そのあと『サッカー・パンチ』。どち
らも新宿ピカデリー。

まず、ビールと小さいポテトチップスを買っ
て映画館入り。うーん、まあまあ人がいた方
かなあ。封切り映画にしては少なめ。ま、金
曜だから。普通の人は土曜封切りだと思うか
ら、なかなか金曜には来ない。

3Dもだんだん珍しくなくなってきたね。
『アバター』から一年ちょっとで、かなり浸
透したことはした。でも、それがいいかどう
かは別。


太った外人がミニチュアの街をのっしのっし
歩くのが面白いかどうかという問題。ミニチ
ュアの街は、ほんとにただのミニチュアで、
現実世界と違うところはない。で、それをさ
らに現代の現実世界に近づける。挙げ句の果
てには、モビルスーツみたいなの出しちゃっ
て。ほんとに、一体何を面白がって作ってい
るのか見当がつかない。

主人公はミニチュアの世界で孤立するのかと
思ったら、簡単に友達ができて、つまらない
ことで王様に認められたりして、そしたら今
度は、またまたつまらない展開で…と、はず
まない思い出話のような展開。皮肉な展開が
あるわけでもなく、風刺が効いているわけで
もなく、何かの比喩があるわけでもなく。

きっと、ジャック・ブラックっていうキャラ
クターが演じているということを面白がって
いるんだろうと思う。大昔の人気アニメの劇
場版みたいに、そのキャラクターが目新しい
設定の中に存在しているというだけで面白が
っているようなものだ。メタボ腹で短パンの
怪人物が、ガリバーの世界にいるというだけ
のこと。

だから、ラストで唐突に平和をテーマに振り
かざしても違和感を感じないのだろう…いや、
感じるよ。唐突すぎる。急に恋愛がうまくい
くのも唐突だし。…でも、あの女も様子がお
かしかったもんね。

あ、そうそう、3Dについては、まったく3D
であることを忘れさせるくらい自然でした…
…って、ぜんぜん3Dじゃないってことじゃん!

posted by TcinemaholicT at 22:47| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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